昔Tumblrやってた頃に書いてたやつを久々にやります…。年末に思い立って書き出したので前半に見たものの記憶が薄れている、やばい。
アカデミー賞授賞式までに書き終えようと思っていたら全く終わらなかったので輪をかけてやばい。
だいたい見た順(≒公開順)。気の向いたところから書き始めている(一部はリアルタイムで感想をメモしてる)のでやる気にばらつきがありますがご愛敬ということでひとつ…。
『アリー/スター誕生』
前評判のわりに公開始まったらスンッと静かになってびっくりした…何だったんだ…。
音楽が言うまでもなく良いです。
大切な人を失ってもまた歌うことを選ぶ、ラストシーンの為に2時間があるような映画だと思いました。(作文)
ところで本編とは何の関係もないけどアカデミー賞授賞式のパフォーマンスめちゃくちゃ良かったよね……。(2019年)
『喜望峰の風に乗せて』
ただただ苦痛な作品だった…。
ど素人が単独無寄港世界一周レースに挑戦する実話、というと最後に大逆転が起きて優勝しちゃう話がベタだけど優勝はしない。
それどころかGPSのない時代なのをいいことに(?)進捗をちょっと盛って報告してみたら優勝候補が皆脱落してしまって、地上のみなさんの期待が集まる中、広い海の1人きりの船の中で罪の意識だけがどんどん膨らんでしまい孤独の中で死を選ぶ、そういう話です。
孤独ってネガティブ感情を増幅させるよな…ということを2時間かけて教えてくれる激重映画です。元気な時にどうぞ。
『映画 刀剣乱舞』
金のかかった同人誌
刀剣乱舞〜ステ本丸に特撮要素を添えて〜って感じだった。
たぶんすえおじのステ本丸とは別の本丸なんでしょうね。
映像はどうしても顔のアップを撮りがちなので、荒牧くんの美しい殺陣がじっくり見れなくて残念でした😭舞台で見ろって話ですが。笑
『ゴッズ・オウン・カントリー』
実家の牧場を手伝ってる田舎のやさぐれ青年と牧場のバイトに来た移民のスパダリ兄やんが紆余曲折を経てくっつく話なんですが、兎にも角にも羊が可愛い。常に曇りがちな空と何となくモヤモヤした空気と、可愛い羊。このシチュエーションだけで刺さる人もいそうだなぁ🐑🐑
(※羊の出産シーンがあるので注意)
正直そんなに詳しくないんですけど、LGBT(やその他色々なマイノリティ)を扱う映画の「我々は!こういうところが!しんどいです!!!」的な流れとは全く別の文脈にある映画。どっちかというと恋愛映画の登場人物がたまたま男と男だった、という日本の商業BLに近い匂いがします。
『プロメア』
わたしがもっと無邪気な頃に出会いたかった……何も考えずリオきゅんきゃわきゃわ〜💕とか言っていたかった……。
バーニッシュがJr.マンション的な小部屋()に詰め込まれてエネルギーを搾取されてるシーンが非人道的すぎてまじで胸糞&地雷でつらかった。ナチスの非道行為の描写とかに耐えられない人は見ない方が良いレベル。
被差別民を労働力(というかもっと物理的なエネルギー源の確保)に使おうと考える悪役がいることまではまだ理解できるんですけど、
自分たちのリーダーの為に自主的にモブがモブらしい協力態勢を見せるところがめちゃくちゃモヤるんですよね…。
『劇場版 うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVEキングダム』
「応援上映」と「ライブビューイング」という上映形態があってこそ活かされる2次元アイドルの最終形態。
手描きアニメの時代に2時間全編ライブシーンとか普通に狂気の沙汰だと思うので、3DCGは偉大ですね…。
と思ったけど全編手描きライブやってるのありましたね。少年ハリウッドって言うんですけど(突然の宣伝)
MCが長いのとほぼ棒立ちだったので、あといくら積んだらMCでも動いてくれるようになるのか知りたいです。
追伸:寒色ユニットの衣装、伯爵の尻にオーガンジーついてるのめちゃくちゃ似合ってなくてじわじわ笑ってたのほんとごめん。
『アラジン(2019)』
すごい 理想の アグラバー…!!!
アニメとキングダムハーツと舞浜のアラビアンコーストのイメージを全部まとめて実写化したらこうなった感。最高。
そして「アリ王子のお通り」がマジマジドマジに最高。豪華絢爛アラビアンミュージカル。(韻を踏みました)
ただなんかあんまり同意してもらえなかったんですけど、ジャスミンの性格改変がちょっと解釈違いで個人的にはあんまり好みではなかったです…。
アニメ版のクレバーでセクシーなジャスミンが昔から好きだったので、民を思い正々堂々と悪に向き合う公明正大なジャスミンはちょっと解釈違いですね……。
もちろん「王族としての役割と責任を果たすプリンセス」が描かれるのはめちゃくちゃ意義があることだし、今から映画を作るなら当然そういう流れに改変しないとぶっ叩かれることは理解しています。
ただ何というか原作で喫煙していた未成年キャラがアニメ化でロリポップを持たされる的な、分かっているけどモヤる感じ……。ジャスミンじゃなくても良いじゃん……。
『映画 ハイ☆スピード!-Free! Starting Days-』(2015)
推し(似鳥くん)がいないという理由でスルーしたまま早4年が経過していたんですが、3期を観ようと突然思い立ちアマプラでサクッと鑑賞。
…サクッと観れるわけがなかった。
着衣水泳やばくない??なんで誰も教えてくれなかったの????郁也ちゃんおめめきゅるきゅるやん????かわいいやん????
雑にいうと「いかに直接的な表現を用いずに愛を表現できるか」の限界に挑戦する映画。たぶん。
ハイスピの製作委員会だけヘイズコードに縛られてるのか??と言いたくなるぐらい「建前上は恋愛関係じゃないです」アピールがすごい。
月明かり、夜のプール、少年がふたり。
京アニの美麗作画に見とれて忘れかけるけどこれもし実写だったら完全にいろいろアウトだと思うんですよね…スリーアウトバッターチェンジ。
ここまでくるともはやキスしないほうが不自然にすら感じてくる…。
着衣水泳の話だけで400文字も使ってしまったので他の話も
水泳部4人がそれぞれ向き合う壁がティーンエイジャーのアイデンティティとかの悩みで、自分が中高生の頃にこの映画みてたらゴリゴリ削られていろいろ辛かっただろうな〜とは思う。もう大人なのでときどき胸がキュッとなりながら観ました。
心の中ではいつまでも2020年だから新作いつまでも待つよ〜〜〜!
『少年たち』
純度の高いトンチキムービー。ヒロムのイズムが超詰まってる。
一言で言うと「とっ散らかったアイデアをなんとかまとめて普通の映画っぽく仕上げようとしたが、手が滑って一部にトンチキパウダーを大量投入してしまった」みたいな映画です。どんな映画だ。
とりあえず、旧奈良少年刑務所の建物がめちゃくちゃ美しいんですよね…!
作中でも最後はホテルになってましたが、実際に今後ホテルとして使われるそうなので、刑務所としての姿を残してる映像としては大変貴重な映像になるわけですよね…後世の人が旧奈良少年刑務所の往時の姿を知りたいと思った時に『少年たち』を参照するんですよ…いろんな意味で観た人がびっくりしちゃう…。
そして建物の背景に若草山が映り込むのがいかにも奈良の風景って感じでちょっとした癒し。のどかな奈良の空が世界観と絶妙に合ってないのが逆にシャバの空気との断絶っぽさを感じるともいう。
そして、出演者の顔が良い〜〜〜!!!あっこれは言うまでもないか!笑
ツッコミどころしかないけどこれを見せたい!というビジュアルの圧が強すぎて「ストーリーの細かい部分を指摘する方が野暮」みたいな謎の空気を作り出せるのは普通にすごいと思う。
冒頭でみんなだいすき長回しのシーンが始まって、長回しが良いのでこれは期待できるのでは??と思ったところで映画らしく出演者の名前が順々に出てくるんですが、フォントがダサくてずっこけた。笑
そして長回しのままJAPONICA STYLEが始まるんですが、ここで突然謎の漢字字幕(本編字幕ないのに歌詞の「夢」「恋」「桜」にだけ唐突に字幕が出る)。トンチキの香りがプンプンしますね…。
あと歌パートのカメラワークがもうちょっと良ければな〜〜って感じです。
出演者の顔を映すことが至上命題のアイドルMVって感じで映画館のスクリーンで観る画としては???だったのでもうちょっと頑張ってほしかった…。金曜18時のNHKとは違う方向性で、何卒…。あれももう少し引きの画欲しくない?わたしだけ?
『トイ・ストーリー4』
まず持ち主のスペオキ新入りに対抗心燃やさなくなったウッディえらい👏👏
しかしアイデンティティをフォーキーの世話係(自称)に見出すのはいくない🙅♀️🙅♀️
ギャビーギャビーは最初の嫌な子っぷりが突き抜けてただけに、実は悪意があるわけではなくただただ可哀想な境遇を拗らせただけだと分かった後、ハーモニーに選ばれなかったあたりからの応援してあげたくなる気持ちが凄まじかった。一度失敗して傷ついたことにもう一度挑戦するのって怖いじゃん。
そしてボー・ピープ!!!やっと会えたね!!!!と思ったら待つ子ミジメックスを卒業していてかっちょええ!かっちょええ!かっちょええじゃん!?!?!?
置物(スタンドライト)の付属物という存在かつ選ばれるのを待つだけの存在からボーが自ら行動する1個体へ変貌したのを違和感なく鮮やかに描き出すの、フェミニズム表現として200点満点すぎる。重いスカートをマントに変える表現もよい。キャラクターにも不自然がない点でも素晴らしい。(実写ジャスミンの方を見ながら)
考えうる限り最良のラストだと思う。
全体的に「置かれた場所で咲こうとすること」だけが道じゃない、過去の栄光を取り戻すことより今にフィットしたものを選ぶほうが良くない?っていうかろやかなメッセージがよい。
自分の信念(ウッディの「おもちゃは子どもに遊ばれる為にある」)を一貫しなくても良い、途中で変わっても良い、人間だもの。って感じ(おもちゃ)
『永遠に僕のもの』
実在するドドドドド美少年殺人鬼の映画。
快楽殺人とは全く別の、「この引金を引いたら邪魔な奴が消えてくれる便利グッズ」かなんかだと思ってるクソヤバ美少年。
原題の「El Angel」は史実で黒い天使と呼ばれてたとか、冒頭で触れられてた不妊の末母親が神に祈ってできた子、というところから付けられてることは想像に難くないのですが、「永遠に僕のもの」という邦題は何が"永遠に僕のもの"なのか想像の余地が無限にありますね…。
私は「この世界」に一票。最初と最後のダンスシーンなんか完全に天上天下のすべてが彼のものとしか言えない。この世界にはカルリートスしか存在しない、美しい孤独はさながら神のよう。天使だけど。
『人間失格』
あぶね〜うっかり中点を入れそうになったぜ(それは自担のドラマ)
「大丈夫、君は僕が好きだよ」とかいう太宰のヤバすぎるセリフを予告で見て、ドクズっぷりを期待して見ました。期待通りのドクズでした。
入水心中に始まり入水心中に終わる超映像美映画。水、雪、花のエモい使い方を知り尽くしててここぞという場面で必殺技のように出してくるのが凄い。それでいて太宰が悪い意味でドクズなのでエンタメとしての軽さも両立してるのも凄い。
『ロケットマン』
スターダムを駆け上がるサクセスストーリーでも名曲の制作秘話でもなく、一言で言えばインナーチャイルドを癒す話。
音楽に興味がある人よりもACやアルコール依存症などの精神疾患に興味がある人(?)のほうが楽しめる気がする。
公開時期、監督、時代のどれを取っても「ボヘミアン・ラプソディ」と比べられてしまうのかと思ったけど全くそんなことはなかった。完全に別の土俵。
タロン・エガートンの歌が上手い。
あとボラプでは裏切りに遭う被害者側だったジョン・リードがガッツリ悪者になっていてめちゃくちゃ笑った。
そして子役を見てるとビリー・エリオットが見たくなってくるのだ…来年はよ…。
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』
GG賞&オスカー助演男優賞おめでと〜〜〜!!!
起!承!転!転!結!!みたいな映画も悪くないけど淡々と物語が進む映画が好きなのでどちゃ好み〜〜。バディものだけど絶体絶命のピンチに陥り最高のタイミングで相棒が助けに来るとかそういうことは一切ない。そもそも絶体絶命のピンチ自体が存在しない。
大事件が起きない(終盤はまあまあ事件だけど起承転結の転ではない)、流れるようなストーリー構成は現実の人生のようだし、起承転結のハッキリしたハリウッド映画との対比によってそれがますます鮮やかになる構造美。最高。
後半で2人のイタリアでの成功が唐突に描かれ(伏線はあるけど)、それまで2時間かけて2日間のことを描いてたのが4ヶ月を5分で済ませるすっ飛ばしぶり(体感)。
リックとクリフのなんとなく人生うまくいかない感じに観客が自分の人生を重ねて見ることも、それでいて観客が無意識のうちに主人公が成功することとかハッピーエンドとかを期待していることも全部見透かした上での構成なら本当〜〜にすごい。
リックがめちゃくちゃシリアスなシーンの撮影で台詞を飛ばすシーン、観客はいきなり現実に引き戻されるんですが、それが逆に「映画の撮影はリックにとっての現実である」ということを意識させるつくりになっていて本当に唸る。
リックとクリフがいつか仲違いするんじゃないかと随時ヒヤヒヤしていたけど最後まで大変良い友情であった…。クリフがブルースリーと喧嘩して車壊して仕事が飛んでも壊れない関係っょぃ。
ブロマンスとバディとイケオジと60年代アメリカが好きなら絶対見て🥺
『HiGH&LOW THE WORST』
ザ!ワ!(曲がったきゅうりの絵文字)
相変わらずドラマパートは陳腐の一言に尽きるのですが、そんなことが瑣末な問題にしか感じないくらい戦闘パートの出来と全体のビジュアルが良すぎる。
あと楓士雄の攻略王感がすごい。
日経エンタの特集で「ハイローシリーズはHIROさんと直接共演したことのない世代がLDHイズムを継承する場になっている」というような記述があって、部外者としては単なるトンチキ映画くらいの認識でも内部にいると大事なイズムを継承できる機会なんだな…と大変参考になりました。なんの?
『アナと雪の女王2』
ラセターがいなくなってから大ディズニー様の続編商法が再開してしまった…と思って若干ゲンナリしていたことを謝ります。大変申し訳ございません。
良い意味でスタッフが振り切りまくってて面白かったです。
個人的に時代は中世っぽいのにキャラクターの動きが現代人っぽいのが面白いな〜と思っています。
エルサがレリゴーのこと黒歴史だと思ってるの面白すぎて愛おしすぎる。
ジェスチャークイズにイマイチ乗り切れないエルサ、平時でもウェイ妹のテンションに馴染みきれてないんだろうなと思うとますますカワイイ。キャワイイ。
しかしアナに対して「愛している、だから一緒には行けない」をゴリゴリの力技でしか表現できない不器用さはもっと掘り下げてやるべきでは?!とは思いました。(モンペの感想)そのあとのオラフとの別れの方に時間が割かれてうやむやになった印象があるので勿体ないです。
ここから全体の話をしますが、「女の子の冒険したい欲」の存在をフラットに認識して満たしてあげるのが本当〜〜〜に上手いな。
そして「父の代わりに入隊」とか「外の世界への好奇心でうっかり☆」とかじゃなく自主的に自身のルーツを探す冒険に出るという動機付けも良いですよね…主体的〜〜!
エルサの魔法の力について色々なメタファー(特にハンディキャップやアイデンティティ)を重ね合わせて観ていた人にはつらい結末だと思う。
エルサは女王を辞めて自然に帰って生きていく道を選んだけど、現実には誰にでもそういう場所があるわけではないし、あってもそこで実際生きていけるわけではないし(生きていけるならとうにやってる)。
あとP!ATDのエンドソングがめちゃくちゃ良い〜〜〜。
6700字も書いているのでちょっとしたレポートと化している…1年分まとめて書くのはやめる……😢
それでは!